「糀で世界中の人をお腹の中から元気に幸せにしたい!」

332年分のありがとう!

おかげさまで「糀屋本店」は創業332周年、浅利妙峰が「こうじ屋ウーマン」として活動を始めて14年目になりました。店を継いだ2007年当時、経営状況は火の車でした。それでも、伝統を継承するのが務めという思いで本気で再建策を練る中、江戸時代の書物「本朝食鑑」の中に見つけた「塩麹漬」をヒントに「塩糀」を調味料として使うことを考案し、レシピを公開したのがまるで昨日のことのようです。2019年の「現代用語辞典」に「塩糀」が取り上げられたときの感激は今でも忘れられません。

初めて糀を調味料に!

こうじ屋ウーマンは、こうしたらダメではなく、こうしたらどうなるんだろうと考えるのが大好きです。糀があれば日本の発酵調味料「さ・し・す・せ・そ」は作れます。でも塩だけは、塩麹が潰け床として使われてはいても調味料としては使われていない。じゃあ、塩麹を塩の代わりに使ったらどうなるんだろうと思い「塩糀」が生まれました。これも、持ち前の好奇心のおかげかもしれません。糀の既成概念を飛び越えた新しい発想が、多くの皆さまに受け入れていただけたからこそ「塩糀」がブームになったと感謝しています。

初めて糀をそのまま食べる!

やがて「塩糀」を海外でも作りたいということで、日持ちがする乾燥糀を持って行きましたが、さらに使いやすいようにと研究を重ね、常温&長期保存が可能で、何にでも振りかけて使える微粉末の糀が完成しました。これが「キスケ糀パワー」です。ちなみにキスケというのは、ひいおじいさんの名前をいただいて商標登録をしたオリジナルのネーミングです。

糀の効用を科学的に証明

2000年を超えるといわれる糀の歴史の中で、初めて糀を調味料として使った「塩糀」と初めて糀をそのまま食べた「キスケ糀パワー」。いかに糀づくりを後世に伝えるかというチャレンジでしたが、もう一つどうしても実現したいことがありました。それは、糀の効用を科学的に証明すること。理論に裏打ちされた糀を次世代に残したいという強い思いです。とにかく麹に関する様々な論文を読み、専門家に話を聞きながら知識を積み重ねていきました。その結果、エンザイム(酵素)という言葉と出会い、糀は単に発酵食品の原料というだけでなく、三大消化酵素をはじめとする多くの酵素が素材の旨みを引き出して料理を美味しくし、消化も助けてくれるという嬉しい健康効果があることが分かりました。それまでにも、糀のデンプン分解力を利用した胃腸薬などはありましたが、残念ながら糀の効能については麹業界ではほとんど認識されていませんでした。

は、食文化を創っていくもの

糀の未来を支えるために、糀の働きや素晴らしさをもっと伝えたいという思いは年々強くなっています。「糀で世界中の人をお腹の中から元気に幸せにしたい」というのがこれまでも、そしてこれからも私たちの願いです。来年は創業333周年のトリプルスリー!これからも、糀の知識を深め、豊かなバリエーションと発信力で、糀の無限の可能性と幸せな未来を追い続けてまいります。