糀を知り尽くした“こうじ屋ウーマン”の「塩糀」使いこなし術

塩糀、使っていますか? 唐揚げを作るときには必ず使う? えっ、それだけ? すごくもったいない使い方をしていませんか。昨年12月、こうじ屋ウーマンが出演させていただいたNHKテレビ番組「ガッテン!スペシャル」 でも改めて紹介された塩糀。もっともっと上手に使いこなしていただくためのコツをお教えします。

普段使っている塩の代わりに使えばいいんです

米糀と塩と水を発酵させてつくる塩糀。発酵中に米のデンプンが糖化して生まれる甘酒のような甘みとまろやかな塩けが特徴です。豊富に含まれる酵素が、食材の臭みを消し、食感を柔らかくし旨みを引き出してくれるので、他の調味料を色々使わなくてもおいしく仕上がります。特別な料理だけでなく、普段の料理に使っている塩の代わりに塩糀を使ってください。

肉、魚、野菜、ご飯… どんな食材や料理もおいしくなります

糀は三大栄養素を分解する消化酵素をすべて持ちあわせ、デンプン、タンパク質、脂肪を分解するので、肉や魚は柔らかくなり、野菜も味が染み込んで旨みが増し、口に入れた瞬間「おいしい」と感じるのです。デンプンも、タンパク質も、脂肪もおいしくなるので、塩糀は食材を選ばずに様々な調理法で使えます。まずは色々試してみてください。

塩糀の量は、食材の重さの10%と覚えてください

こうじ屋ウーマンが編み出した黄金比「糀3:塩1:水4」で作った塩糀の場合、食材の重さの10%の塩糀を合わせればどんな料理もおいしく仕上がります。たとえば、肉100gの場合には、10g(大さじ½)の塩糀を使ってください。塩糀の塩分は一般的な塩の約⅛ですから、減塩にもつながります。塩糀料理を食べた時に予想以上においしく感じるのは、塩分濃度が約1%で私たちの血液とほぼ同じだからです。

気をつけたいのは、ご飯などのデンプン系に使うとき

塩の代わりに塩糀を手につけておにぎりを握ると、時間がたつとボロボロになってうまくまとまりません。これは、糀に含まれるデンプンを分解する酵素の働きでご飯が甘酒化するからです。ポテトや春雨などもデンプンなので、サラダを作るときなどには気をつけましょう。ご飯は炊きあがってからではなく、炊くときに塩糀を加えると、ふっくらツヤツヤになります。