3月8日(水)の大分合同新聞夕刊「灯」にて
こうじ屋ウーマン 浅利妙峰のコラムが掲載されました。
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「イタリアのオリーブ 日本の糀」
春眠暁を覚えずの言葉通り、朝のまどろみの心地よさを感じる季節となった。
先月、天橋立で知られる京都府宮津市に伺った。イタリアオリーブオイル協会会長のアンドレアッキオ・ビンチェンツォ先生に依頼されて、糀とオリーブオイルのダブル講演会となった。糀の分解酵素がタンパク質を分解してうま味を出し、脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する働きもあるのでイタリア料理のドレッシングやピザ、トマトと糀の相性は抜群だ
オリーブの歴史は古く、エジプトには6千年以上の樹齢のオリーブも現存している。ノアの箱舟から放たれたハトがオリーブの小枝をくわえて戻ってくる件は有名だ。オリーブはオイルや実だけでなく、葉にも多くの効果効能を持っている。オリーブの葉には果実よりもはるかに多くのポリフェノールが含まれている。そのポリフェノール群は、赤ワインの2・2倍、緑茶の3・3倍にもなる。特に注目されているのはオレウロペインというポリフェノール。非常に優れた抗菌・抗酸化作用を持っているとされ、さらに殺菌・解熱作用があるヒドロキシチロソールというポリフェノールも含まれている。また果実と同様に鉄分、カルシウム、ビタミンE、オレイン酸、エレノール酸なども多い。オリーブの葉にこれほどの天然成分が含まれていることに驚かされた。
(こうじ屋ウーマン・佐伯市)