大分合同新聞「灯」にて掲載 8/27(水)

8月27日(水)の大分合同新聞「灯」にて糀屋本店 こうじ屋ウーマンこと浅利妙峰のコラムが掲載されました。
今回は「島原そうめんのおいしさ」について語っています。温故知新の味、伝統を守る心、米糀づくりに通じるものがあります。

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「島原そうめんのおいしさ」

お盆も過ぎて、ツクツクボウシが鳴き始め、夜には虫の声も響き始めた。

お盆前には宅配便に乗せて、日本全国を人から人への真心のお中元が飛び交った。以前は、贈られる品の中に播州や三輪のそうめんが多かったが、ここ2,3年は島原の麺類を頂くことが多くなった。

この島原産の麺のおいしさは筆舌に尽くしがたいほどで、播州や三輪に勝るとも劣らない。九州にいながら、これほどのおいしいものを知らなかった方が不思議だ。

島原といえば、天草四郎が思い浮かぶ。わが大分県人の誇り、大友宗麟公も敬虔なクリスチャンだが、天草四郎もまたキリストを神とあがめ、島原の原城に立てこもり果敢に戦い、籠城した全員が命をささげ殉教した。そして、原城一帯の人がそっくりそのままいなくなった。

その後、この土地に全国から入植するが、その中に小豆島からの人々がいた。内海に小島が浮かぶ風景は、瀬戸内を思わせる。自然環境の似たこの土地でこれまでの生活パターンを大きく変えずに過ごせることは魅力的だったに違いない。原城跡のある南島原市西有家町須川に入植し、製麺、特に乾麺の製造にいそしんだ。

播州に劣らないのは当たり前。瀬戸内のその技が島原のこの地に伝わり、広められたと知って、そのおいしさに納得させられた。

(こうじ屋ウーマン・佐伯市)