大分合同新聞「灯」にて掲載 7/19(土)

7月19日(土)の大分合同新聞「灯」にて掲載されました。
台湾出張を終えて、今回は「台湾に残る日本の建物と精神」と題したコラムです。

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「台湾に残る日本の建物と精神」

6月末から7月初旬にかけて、こうじ普及のために台湾を訪問した。声を掛けていただいたレストランでは、こうじの効果効能を説明する会議の途中に席を立ってキッチンでこうじを加えた料理を試作し、全員で味を確認して大好評だった。台湾料理に舌鼓を打ち、こうじの可能性を再確認する5日間となった。

限られた時間の中で台北の町中を案内していただいた。今なお残る日本の建造物ー台湾総督府、円山大飯店、台湾大学医学院附設医院ーなどが手を入れられて大切に使われている。古さを感じさせない建物は、贅を尽くし荘厳かつ機能的で新しいものに劣らない。時代を超えた今でも輝きを放ち、誇っているように見える。それらの建物の中に入ると、時の流れが昭和の初めに戻った錯覚に襲われ、言葉を失い立ち尽くした。

街中で出会う人たちは「こんにちは」「ありがとう」と、笑顔を浮かべ日本語で話し掛けてくる。韓国や中国から非難される日常とは一線を画した台湾。建物だけでなく、古き良き日本の心意気をも残している。

「人のお世話にならぬよう」(自助)、「人のお世話をするように」(互助)、そして「報いを求めぬように」(自制)-と「自治の三訣」を説いた台湾総督府民生長官であり、ボーイスカウト日本連盟の初代総長でもあった後藤新平の言葉がよみがえってきた。

(こうじ屋ウーマン・佐伯市)