大分合同新聞 灯にて掲載 11月14日(水)

11月14日(水)の大分合同新聞夕刊「灯」にて
こうじ屋ウーマン 浅利妙峰のコラムが掲載されました。
流鏑馬を目にした感動が綴られています。

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「伊美別宮社の流鏑馬」

江戸時代から途絶えることなく続く流鏑馬が国東市国見であると知り、伊美別宮社へ向かった。きらびやかな三基の神輿の行列を見送って、松林の中、カサコソと落葉を踏みしめて神幸所へ進むと、神事が始まっていた。

神楽は、私の知る佐伯地方のものとは趣が違う。これを躍動的とするなら、伊美のものは優雅、小学生女子の白拍子の舞も幻想的。写真を撮っていたら「浅利さん、灯を読んでいます。この伊美別宮社のことも、ぜひ書いて広げてください」と、声を掛けてくださった方が4、5人かそれ以上。

感動だけを言葉にするのではなく、ふるさとに残る素晴らしい伝統行事を必死で次世代へ残そうとしている方々の努力と、一人一人の胸中に沸き立つ情熱を伝えることができるだろうか、いや伝えてみせる!

神輿が再び神社へ戻ると、いよいよ流鏑馬が始まる。鎧・直垂を着けて、きりりと引き締まった表情で馬に乗る大末晋也さん(21)は、切れ長の目、背筋がピンと伸びた美青年だ。3本の的に向かい、まずは矢を放ち、次は紙吹雪、最後は扇。両手を離して馬に乗ることだけでも難しいのに、人馬一体となって的を狙い、矢を射る卓越した技に拍手喝采だ。射手として、神のようにあがめられ、皆の目に触れ、緊張感の中で流鏑馬を無事終了した青年の顔は、よりたくましく、神々しく見えた。

(こうじ屋ウーマン・佐伯市)