大分合同新聞 灯にて掲載 11月20日(水)

11月20日(水)の大分合同新聞夕刊「灯」にて、
こうじ屋ウーマン 浅利妙峰のコラムが掲載されました。

「お辞儀が世界標準になった」と題して、ラグビーW杯のことを書いています。

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 ラグビーのW杯は終ったけれど大分のラグビー熱はまだまだ冷めやらない。優勝は、かつてアパルトヘイトという人種差別政策で知られた南アフリカ、肌の色や思想の相違を克服してチームが一つになり、難関を制して優勝を手にした。
 日本チームもリーチ主将のイニシアチブの下、国籍の違いを乗り越えてベスト8初進出の快挙をなし、国民を喜びの渦に巻き込んだ。
 今回のW杯がこれまでと違ったのは、何と言っても試合開始前に観衆が大きな声でそれぞれの国歌を共に歌ったことだろう。遠く離れた異郷の地でスタンドから湧き上がる国歌に選手たちは、どれほど力を与えられただろう。涙が出るほど嬉しかったに違いない。

 選手の喜びは、力いっぱいプレーをした試合後のあいさつに表現された。スタンドの観衆に向かって深々とお辞儀をしたのだ。どの国の選手も温かい声援に対する感謝を、お辞儀を通して身体全体で表わした。この素晴らしい光景に心震わせて目頭が熱くなったのは私だけではないだろう。

 かつて、握手をしながらお辞儀をする日本人を見ておかしな民族と笑われたこともあった。そのお辞儀を心からの尊敬と感謝の表れと受入れて、実行して下さった世界の強豪たち。ラグビー界ではお辞儀が最大の好意を表す世界標準になったことを確信し、日本の良き慣習を誇りに思えるW杯となった。