大分合同新聞 灯にて掲載 12月18日(金)

12月18日(金)の大分合同新聞「灯」にて、
「とっさの機転は、学問にあり」と題した
こうじ屋ウーマン 浅利妙峰のコラムが掲載されました。

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城山の麓、大手前に開館した「さいき城山桜ホール」。付設のさくらごろごろパークで楽しく遊ぶ子どもたちの声が消えるころ、ロビーの明かりに高校生の姿が映し出される。普段は空の多いテーブルが、定期テスト前になると学生で満席。熱心に学ぶ姿は感動的だ。ホールの前を通るたびに、佐伯の未来がキラキラと輝いているように思えて、心が弾み、うれしくなる。

公園を駆け巡って遊んだ子どもらが、いざ真剣に学ぶ時には、きっとロビーで集中する高校生の姿が脳裏によみがえるだろう。習うより慣れろ、先輩の後ろ姿を追い掛けて成長するように、目に焼き付いた素晴らしい学習姿勢を受け継ぐに違いない。

佐伯藩8代藩主、毛利髙標公が場内に藩校「四教堂」を創設されたのは、安永6年、1777年のことだ。論語にある「文、行、忠、信」の四教を教育理念としたことが由来。文は学問、詩や書(歴史)などの学習。行は徳行、日常の実践。この文と行の裏にあって、それを精神的に支える心の持ち方が、誠を尽くす忠と、人を欺かないまことの信、今もその教えは継承されている。

また、髙標公は「とっさの機転は学問にあり」という言葉を残して、学ぶことの大事さを伝えてくれている。私は勝手にこれに続けて、「己を深め、他を利する、熱き心を読書で磨け」と言葉を添えたい。

(こうじ屋ウーマン・佐伯市)