大分合同新聞 灯にて掲載 1月24日(火)

2023年1月24日(火)大分合同新聞「灯」にて『大日寺の厄除大師』と題した こうじ屋ウーマン 浅利妙峰のコラムが掲載されました。

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 佐伯市船頭町にある東光山大日寺は、1世の秀乗律師が、毛利高政公の信任を得て、一寺創設の地を与えられ、藩の武運長久、領内の安全の祈願所として、1608(慶長13)年に創建された。境内の中央には、1954(昭和29)年に高さ3.3㍍の石仏「厄除大師」が建立され、佐伯の町を見守ってきた。

 2022年1月22日午前1時8分ごろ、日向灘を震源とする震度5強の地震があった。強い地震ながら、佐伯地方は死者も出ず、家屋倒壊などの被害も少なかった。しかしながら、あの厄除大師が倒れ、壊れてしまった。朝までそのことに気付かなかったのは、台座から静かに滑るように落ちたからに違いない。

 翌朝、幼い頃から見慣れていた風景が、一瞬にして消え去っていた。壊れたお姿を見て、佐伯の厄難を全てお大師様が持っていかれたのだと確信した。悲しいのだけれど、ありがたさに思わず手を合わせて感謝し、山本隆信住職に「早く再建してほしい」と、お願いした。

 昨年11月に始まった工事も終わりに近づき、厄除大師開眼法要は2月11日(旧暦1月21日初大師の日)に決まった。工事の途中、台座の中央に真砂を敷き詰め、崩れ落ちたお大師様の頭を納めるところを見学させていただいた。初代の厄除大師と、2代目のお大師様、お力を合わせて、佐伯の町を守り続けてくださるに違いない。ありがたや、南無大師遍照金剛。

(こうじ屋ウーマン・佐伯市)