大分合同新聞 灯にて掲載12月15日(水)

2021年12月15日(水)大分合同新聞「灯」にて『五所明神社の甘酒まつり』と題した こうじ屋ウーマン 浅利妙峰のコラムが掲載されました。
今年も佐伯神楽奉納(綱切神楽・湯立神楽)があり、甘酒の振る舞いをさせていただきました。

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「正一位五所大明神」と書かれた鳥居をくぐり石段を上ると、五所明神社の社殿が見えてくる。旧毛利藩の総鎮守の神、一宮の位として佐伯市民に「明神さん」と呼ばれ、親しまれている。

創立は平安時代初期と伝えられ、加茂、春日、稲荷、住吉、梅の宮の5神社の分霊が祭られている。重厚な拝殿と神殿は、慶応年間に焼失したが1892(明治25)年に再建された。境内には、樹高約22㍍、幹の周囲約2・4㍍のナギの木(県の天然記念物)があり人々を優しく見守る。

明治の半ばに、教師として佐伯で暮らした文豪国木田独歩の日記の中にも、この神社の甘酒まつりの様子が「佐伯は昨夜より祭日なり、五所大明神の御祭なり」と書き記されている。旧暦11月15日に行われていた当時は、町中が休みになり、みんながおしゃれをして、年に1度のお祭りに胸を弾ませてお参りし、お神楽を楽しみにぎわっていた。

昔は、その年の実りに感謝し、氏神様に奉納するために各家庭で造った甘酒を持ち寄り、祝っていたが、米の統制時代にこの風習も廃れてしまい、甘酒まつりの名前だけが残った。

糀屋本店では35年ほど前に神社へお願いして、甘酒の振る舞いを再び始めた。毎年12月15日の甘酒まつりには、勇壮な綱切神楽や湯立神楽も奉納される。400年以上の伝統を持つ佐伯神楽を楽しみに、ぜひ出掛けてほしい。

(こうじ屋ウーマン・佐伯市)