大分合同新聞

1月21日(月)の大分合同新聞「灯」にて
掲載されました。

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橋本左内の熱い心を伝える 浅利妙峰 2013/1

最近の講演のテーマは、こうじの事だけでなく、生き方や信条そして夢を聞かせてほしいとの要望も増えてきている。

今年初の出張は越前の福井市へ出かけた。福井と言えば、日本一の教育県、しかも文武両道を極めている。江戸から明治に移る大きな時代の渦の中で、あの西郷隆盛をうならせ、心服せしめた橋本左内もまたこの地の出身。数え年15歳で「啓発録」を記したが、安政の大獄によって捕らえられ、その素晴らしき才能ゆえに恐れられ死刑となり、25歳の生涯を閉じた。

左内が「啓発録」の中で説く五つの大事とは

    ①去稚心(稚心を去る)②振気(気を奮う)③立志(志を立てる)④学勉(学に努める)⑤択交友(交友を選ぶ)

地元の中学校では中学2年生の時に今でも立志式を行い、左内の心をわが心とする伝統を引き継いでいると聞いた。また、受講者に信条や想いをお聞きすると口々に、人に喜ばれること、故郷福井のために何かをしたいと熱く語られた。

子どもたちのやる気のなさや、行儀の悪さを嘆く前に、私たち大人が、子どもたちの羨望のまなざしの先を歩き、模範となる人間を目指しているかをもう一度問い直したい。心の向きを人ではなく自分に向け、周囲の人や故郷のために行動する一年にしたいと切望するきっかけを頂いたことに感謝した。

(こうじ屋ウーマン・佐伯市)