読売新聞「道あり」に糀屋本店 浅利妙峰が紹介されました⑥

2025年6月3日(火)から『読売新聞』の連載「道あり」8回シリーズに、浅利妙峰が取り上げられています。こちらは6/12掲載の6回目の記事です。糀が素晴らしいのは、糀が持つ酵素だった👀✨ぜひご覧ください。
写真のドイツ・ミュンヘンでの講習会は13年前。Time flies…

🔗読売新聞オンラインにも掲載されています。
▶6/12掲載 ⑥「塩こうじ」の酵素がたんぱく質分解・うまみ生成…「日本料理を超え愛される調味料になる」海外にPR

酵素の働き 世界に伝える

 大手メーカーも巻き込んで大ブームとなった万能調味料「塩こうじ」。国内での成功に満足せず、2012年、今度は海外での普及活動に乗りだした。

 足がかりとしたのは、「世界の中心」とも呼ばれる米ニューヨーク。講演会を開くと、日本の食文化などに興味がある料理人ら約20人が参加した。塩こうじを混ぜて作ったソーセージやあえ物といった料理を紹介すると、口々にレシピを欲しがった。

 講習会の合間には、現地の有名シェフらへのPRに奔走。イタリア料理の一流シェフに塩こうじをまぶしたイチジクを振る舞うと、「本当に塩こうじを塗っただけなのか」「これまで食べたイチジクで一番おいしい」。手放しで称賛するシェフに、手応えを感じた。

 米国滞在中、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ボストンを巡り、新たな発見につながる出来事にも遭遇した。

 ロサンゼルスの講習会では、体内のたんぱく質分解酵素が分泌されにくい体質の女性がいた。サプリメントで酵素を補わずに鶏肉を食べると体調を崩すが、塩こうじを使った鶏胸肉のグリルを食べても体調に変化はなかった。「サプリを使わなくていいのはうれしい」と女性は喜んだ。

 帰国後に栄養学の書籍で調べると、こうじは炭水化物や脂質、たんぱく質を分解し、うまみ成分のアミノ酸などを生成する酵素を持つことが分かった。塩こうじで食べ物のうま味や甘みが引き立つという感覚が、科学的に裏付けられた。分解後は、体内に吸収しやすい栄養素になるため、体への負担が抑えられることも知った。

 炭水化物と脂質、たんぱく質は、和洋中を問わず世界中の料理に含まれる。「塩こうじは、日本料理の枠を超えて愛される調味料になる」。講演や講習会では、こうじが持つ酵素の働きを積極的にアピールした。

 ドイツ、キューバ、パラグアイ……。訪れた場所は20年までに13か国・地域に上った。国内外を飛び回る日々が続いていた同年、日本でも新型コロナウイルスの流行が始まり、活動が大きく制限されることになった。

(次回は17日に掲載予定です)