読売新聞「道あり」に糀屋本店 浅利妙峰が紹介されました⑦

6/3(火)から『読売新聞』の連載「道あり」8回シリーズに、浅利妙峰が取り上げられています。こちらは6/17掲載の7回目の記事です。こうじ屋ウーマンのコロナ禍の活動について✨ぜひご覧ください。

こうじの粉末「キスケ糀パワープレーン」の誕生は2013年。初めて海外へ持っていったのは2013年のメキシコでした🌎✨

🔗読売新聞オンラインにも掲載されています。
▶6/17掲載 ⑦コロナ禍の窮地救ったネット通販、乾燥させた米こうじの粉末が人気に…料理の味邪魔せず「手軽に使える」

コロナ禍 ネット通販に活路

 国内外での講演会などに奔走していた2020年、新型コロナウイルスの猛威が日本を襲った。同年3月のニュージーランドを最後に、約8年間続けてきた海外での活動も制限せざるを得なくなった。

 外出ムードが高まり、多くの客でにぎわっていた大分県佐伯市の「糀屋本店」も客足が遠のいた。店頭での売り上げは、ピーク時の半分以下にまで落ち込んだ。窮地を救ったのは、18年に大手サイトから始めたネット通販だった。

 人気を集めたのは、乾燥させた米こうじの粉末「キスケ糀パワー」。海外を回っていた13年、保存が難しいこうじの持ち運び方を考えていた時に生まれた商品だった。無味無臭で料理の味を邪魔せず、体に良いこうじを摂取できる。サイトでは「手軽に使える」と支持され、塩こうじと並ぶ看板商品になった。

 講演活動もオンラインで続けた。ただ、対面とは勝手が違い、手応えは感じなかった。

 「おいしくなる、体が喜ぶ、古くて体に良いこうじの新しい使い方を提案していく。これが、私たちの務めだと考えています」。21年2月に佐伯市のホールで行った無観客の講演を生配信した。数台のカメラの前で約1時間半にわたり、こうじの効能や食事の大切さを熱弁した。ただ、約800席ある空間に響いたのは自分の声だけ。「聞いてくれる人の表情や反応が分からない。寂しい講演だった」

 コロナ禍だからこそできることにも挑戦した。その一つが、音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」。週に1回、塩こうじなどの調味料を使ったレシピを紹介。配信を聞いた海外在住の日本人が、SNSなどでレシピを拡散してくれた。こうした地道な活動のおかげか、コロナ禍が明けると、イタリアやドイツなど海外からの講演会依頼が10件近く舞い込んだ。

 昨年10月、ニュージーランドから来た旅行客5人組に店で講演会を開いた。塩こうじで味付けした卵焼きを食べた彼女たちは、互いに顔を見合わせ、うなずき合った。その姿に思わず笑みがこぼれた。コロナ禍では見られなかった光景。「ただただ、うれしかった」

 07年に本格的に家業を継ぎ、「こうじの力で世界を平和にしたい」と無我夢中で駆け回ってきた。だが、古希を過ぎ、体の衰えも感じ始めた。「次の世代に引き継ぐタイミングを見定めなければいけないかな」。そんな思いも頭に浮かぶようになった。