2024年4月20日(土)大分合同新聞「灯」にて『ドイツからのお客さま』と題した こうじ屋ウーマン 浅利妙峰のコラムが掲載されました。
―――――――――― ―――――――――
私たちが普段歌っている曲が、ドイツの愛唱歌と知って驚かされることがある。「ちょうちょう」「ぶんぶんぶん」「かえるの合唱」「こぎつね」「かっこう」「故郷を離るる歌」「夜汽車」「別れ(さらばふるさと)」など。
糀屋本店の講習会では「ふるさと」からスタートするが、先日あったのはドイツからのお客さまにこうじの魅力を伝えるワークショップ。敬意を示して「かっこう」をドイツ語で合唱した。「カッコウ、カッコウ、静かに呼んでるよ、霧の中、ほらほら母さん」と日本語で歌うと、喜んでくれた。
ドイツと日本は、多くの共通点がある。四季があり、美しい景色や自然環境に恵まれた中で培われた芸術文化は、独自の伝統や美学を持ち、音楽、絵画、文学などに発揮されている。また、秩序や正確さを重んじ、謙虚さや礼儀正しさ、真面目さや正直さ、努力を大切にする。一緒に活動をしていて違和感がないのは、これらの共通項ゆえかと、一体感に酔いしれた。
日本文化に憧れを持つ彼らの心を射止めたのは、食前感謝の言葉。「いただきます」は「あなたの命をいただきます」の省略形。世界中の食前感謝は神仏に対して「今日の糧をありがとう」だが、日本では料理の食材の命や自然の恵みへの感謝を伝える。「ごちそうさま」は、食事に関わったあらゆる人や物への感謝の気持ちが含まれている。
日本で得た知識と体験をドイツに持ち帰り、おすそ分けして、日本ファンを増やしてほしい。
(こうじ屋ウーマン・佐伯市)