2月26日(火)の大分合同新聞「灯」にて掲載されました。
「宿命 運命 立命」と題したコラムです。
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宿命 運命 立命
「自分に向いている仕事はきっとあるはず。」「もっと楽しい仕事はないか」と、青い鳥を探すような気持ちでいるうちは、天職には出合えない。数え切れないほどつらい思いや小さな喜びを積み重ねた結果、「死ぬ1分前までこの仕事をしていたい」と思えるようになる。それが天職と出合うということだ。
私が「天職」という言葉に出会ったころは、まだ自分の「天職」に巡り合えていなかった。
なぜこの世に生まれてきたのか、その理由を自分自身に問うたびに悩み、壁にぶつかった。精いっぱいの努力をしても報われず、「つらい」「きつい」と悲嘆にくれた。自分の思うままに進めることが幸せではないのかもしれないと、立ち止まり考えた。自分のことしか見ていなくて、無理を押し通し、自分らしくない方向に進んでいた。自分の行動によって苦しんだり、泣いたりする人がいるなど考えてもいなかった。
気持ちを落ち着け、冷静になって周囲を見渡すと、方向転換をするチャンスが与えられていた。それを素直に受け入れ、自分の生まれてきた宿命を知り、人まねではない、自分の歩く道があると気付いた。与えられた運命に向かい努力を続ける。それが立命となり、自分の命が光り輝き、喜びに満ちあふれる道が広がっていくと知ったのは、つい最近の事である。
(こうじ屋ウーマン・佐伯市)