大分合同新聞「灯」にて掲載 9/16日(月)

9月16日(月)の大分合同新聞「灯」にて掲載されました。

「手仕事の楽しさと喜び」と題したコラムです。

手仕事の楽しさと喜び 浅利妙峰

九月は夏の名残を惜しむ暑さと、朝夕に吹く涼風に秋の訪れが同居する。二つの季節をつなぐのは秋の長雨「秋霖」だ。その頃に私の好きなキンモクセイが香り始め「手作りみそ」を仕込む季節がやってくる。

みそが買うものではなく、各家庭で造るものであった「手前みそ」の言葉は、時代とともに変化し、今では自分を誉める言葉として定着している。見掛けや美味しさにかかわらず、なぜ自分で作った物をいとおしく感じるのだろうか。私のそんな疑問にピタリと答えてくれた本、柳宗悦さんが書かれた「手仕事の日本」の一説をご紹介したい。以下抜粋

「そもそも手が機械と異なる点は、それがいつも直接に心と繋がれていることであります。手はただ動くのではなく、いつも奥に心が控えていて、これが物を作らせたり、働きに喜びを与えたり、また道徳を守らせたりするのであります。」

「手の奥には心が控えている」ーこの言葉を目にした時に「手作りの温かさ、おいしさ」の秘密はこれだと、感激したのを覚えている。

手仕事の楽しさの先には家族の笑顔があり、命を育み、食を支える誇りと喜びが輝いている。自分のためにだけでなく、誰かのために心を込めて務めることこそ、私たちの心に喜びを湧き立たせると教えていただいた気がした。