大分合同新聞「灯」にて掲載 6/29(水)

6月29日(水)の大分合同新聞夕刊「灯」にて こうじ屋ウーマンこと浅利妙峰のコラムが掲載されました。

「石垣に刻まれたお観音様」

熊本、大分の震災からはや2ヶ月が過ぎるが、いまだに終息宣言は出されず、梅雨空を見上げて早く落ち着くことを祈るばかりだ。

加藤清正公が築いた熊本城は難攻不落の城とたたえられている。その石垣は武者返しの工法でも知られ、下部は穏やかな傾斜で上部に向かうほどに急な角度になる独特の造りだが、続く揺れに耐えきれず崩れ落ちて多大な被害を受けた。

不思議なことに崩れ落ちた北大手櫓門の石垣から石の側面に彫られたお観音様が現れた。お姿は40㌢ほどで、蓮華座に立ち、左手には蓮のつぼみを持ち、後光も描かれ、細い線ながら流麗に力強く刻まれている。「板碑」と呼ばれる石碑で築城の際に石垣に転用されたようだ。人々の祈りの中で構築された熊本城は、400年の時を経て再び熱い思いに支えられて修復されつつある。完全な形に戻るには長い時間を要するだろうが、夜のライトアップは再開され復興の象徴となり、見上げる人々の心に希望の光を照らす。

「せいしょこさん」と呼ばれ、親しまれている清正公の命日は旧暦6月24日、毎年新暦7月23~24日には頓写会と呼ばれる供養の法要が行われている。今もなお熊本の人々に愛され、尊敬されている清正公への思いは、復興へのエネルギーとなって引き継がれ、未来に向けて輝き続けるに違いない。