大分合同新聞 灯にて掲載 12月21日(金)

12月21日(金)の大分合同新聞夕刊「灯」にて
こうじ屋ウーマン 浅利妙峰のコラムが掲載されました。
毎年行っている「菌塚へのお参り」にも触れています。

「いただきますの先にあるもの」

江戸時代の文献、本朝食艦に載っていた「塩麹漬は黒漬けと呼んでいる」の一文に出合い、塩こうじの商品化が実現し、こうじの素晴らしさを全国へ発信した2007年、高野山、四国を巡り、京都左京区にある曼殊院門跡の菌塚へお参りした。菌塚には、人類のために役立ち、犠牲となった微生物の尊い命が祭られている。こうじを扱う仕事を生業にしている私たちも報恩と感謝を伝えたいと、毎年末にお参りを重ね、瞬く間に10年が過ぎた。

塩こうじをきっかけに、こうじの力や手作りが見直され、それがしょうゆこうじへとつながり、昨今は甘こうじ、甘酒のブームと、こうじの活躍が続きありがたい。お参りのおかげと思うと、年末の参拝は欠かせない。

私たち日本人はお米を主食とし、青果、海藻、魚、肉などの尊い命によって支えられている。三度の食事の前の「いただきます」は「あなたの命をいただきます」の省略形。生きるために尊い命を与えてくれる食べ物はもちろん、育ててくれた方、とってくれた方、料理を作ってくれた方に感謝をささげ、立派に生きる自覚を養うために唱える。

一人では生きていけない。常に誰かに支えられ、助けられ、生かされている。いただいた命の分まで自分自身を輝かせて、世のため人のために生きることこそ、今を生きる私たちに課せられた役目に違いない。

(こうじ屋ウーマン・佐伯市)