大分合同新聞 灯にて掲載 6月13日(金)

2025年6月13日(金)大分合同新聞「灯」に『涙ポロポロ「いのちをいただく」』と題した こうじ屋ウーマン 浅利妙峰のコラムが掲載されました。

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 宮崎県の食肉加工会社・ミヤチクさんと塩こうじを使った商品のご縁ができ、当初、営業担当5人が作業場を見学する予定だったが「現場の熱を直接感じたい」と、社長・役員以下17人が来訪されたのは、2019年9月10日。慌ただしく準備を整え、当日はこうじの働きや健康効果を伝えながら、小グループに分かれて作業場を案内した。

 待ち時間には、「いのちをいただく」という絵本の読み聞かせを試みた。この絵本は、家計のために大切に育てた牛を手放す家族と、牛を解体する父と息子の姿を描いた実話に基づく物語。読み進めるうちに、女の子が牛と別れる場面で感情があふれ、涙が止まらず声も詰まり、おえつしてしまった。読み続けられないと感じたが、役員の皆さんが黙って続きを待ってくださるまなざしに背中を押され、謝りながらも言葉を紡ぎ続けた。

 牛は、命を解かれる瞬間にもじっと協力してくれたという父の言葉。育てた家族は、食べることを拒む女の子に「この牛のおかげで正月が迎えられる」と諭し、「ごめんね」「おいしいね」と涙しながら感謝の気持ちを込めて食べた。その姿に、命を奪う苦しさと、いただく感謝が深く重なった。

 久々に読み返すと、あの時の涙と心の震えがよみがえり、「命」と向き合う原点を思い出す。あの日の涙と語りは、ミヤチクさんとの信頼の始まりとなり、今もそのご縁は続いている。

(こうじ屋ウーマン・佐伯市)