2020年ありがとう対談 お客様/株式会社ミヤチク 代表取締役社長 有馬慎吾さん

農家さんが丹精込めて育てた家畜のいのちをいただくわけですから、感謝の気持ちで食べていただけたらと願っています。ー有馬社長

有馬慎吾(ありま・しんご)
株式会社ミヤチク
(本社:宮崎県都城市)代表取締役社長。1967年生まれ。宮崎大学大学院修士課程修了後、1993年JA宮崎経済連入会。2014年(株)ミヤチク出向後、JA宮崎経済連畜産部長、(株)ミヤチク副社長を経て、2018年代表取締役社長に就任。品質の良さで注目されている宮崎県産肉の素晴らしさを日々世界に発信し続けている。

「いただきます」は、「あなたの命をいただきます」「私が生きることであなたの命を輝かせてみせます」ということです。ーこうじ屋ウーマン

浅利妙峰(あさり・みょうほう)
大分県佐伯市で元禄2年(1689年)に創業し、米糀の専門店として330年以上続く『糀屋本店』の長女。2女3男の母。日本の発酵調味料の素となる糀の活躍の場をもう一度家庭の台所に戻したいと一念発起し、講演会や料理講習会などを通して日本各地で豊かな糀文化の普及に努める。江戸時代の書物からヒントを得て、現代に調味料として甦らせた「塩糀」や「糀」を用いた「サッと出来て、グッと美味しい」糀レシピは、5人の母として子育てした経験を活かし、慌ただしい日常の中でも、糀を身近なものとして使い続けられるようにとの思いを込めて考案、開発。また、世界中の人をお腹の中から元気に幸せにしたいとの願いから、欧米・南米・アジアなど海を渡って糀の素晴らしさを伝える活動も意欲的に行っている。

こうじ屋ウーマン浅利妙峰が、糀を通じて素敵なご縁をいただいた方と楽しく対談するシリーズ。今回は「株式会社ミヤチク」代表取締役社長有馬慎吾さんです。宮崎県産のお肉と糀屋本店の塩糀のコラボ商品が誕生したことから実現。食肉のプロと糀のプロのお話は、「食べることは生きること」「いただきます」という核心に迫りながらも、温かいひとときとなりました。

 

こうじ屋ウーマン浅利妙峰(以下、妙峰):今回初めてミヤチクさんとコラボさせていただきましたが、素敵な商品に仕上げていただいてありがとうございます。

有馬社長(以下、社長):こちらこそ、とても良いものができて感謝しています。

妙峰:まず、株式会社ミヤチクについてご紹介いただけますか。

社長:わかりやすく言うと、JAグループの関連会社で、宮崎県内の農家さんが丹精込めて作った肉牛・肉豚を消費者の皆様に美味しく食べていただくための会社です。1981年に創業、その後、JAグループ宮崎と合併。2001年に社名を宮崎くみあい食肉からミヤチクと改めて今日に至っております。宮崎県産畜産物の食肉処理・加工・販売・レストラン運営・輸出などの事業を展開しています。

妙峰:私がミヤチクさんを知ったのは確か4年前でした。たまたま延岡のステーキレストランに行って食べて、すっかりファンになって。

社長:そのときに塩糀を紹介してくださって、興味を持った料理長が豚のロース肉を塩糀に漬けてお客様にお出ししたら大好評だったと聞いております。

妙峰:そうなんです。シェフや店長の人柄にもすっかり惚れ込んでいましたので、コラボのお話をいただいたときには逆に「うちでいいんですか」と思いました。

社長:糀屋本店さんの健康を意識した商品を見て、私どもも単に宮崎県産肉を提供するだけでなく、さらに美味しく食べて、健康になっていただくことも大事だと思い、コラボをお願いしました。

妙峰:良いお肉に出合えば塩糀はきっと良い仕事をしてくれると確信していました。コラボは糀屋本店では初の試みですが、私たちが惚れ込んだお肉との商品化ですから喜んでお受けしました。

社長:「日本のひなた 宮崎県」で育った豚肉・鶏肉ですから間違いなくおいしいのですが、塩糀によって旨みがさらに引き出されて、消費者の皆様により満足していただければ、生産者もますます頑張れるのではないかと思って商品開発に取り組みました。

妙峰:素晴らしい!今回の商品の原材料の表示を見ていただくとわかりますが、お肉と塩糀としか書いていません。塩糀の原料は糀と塩と水ですから、つまり体にいいものだけしか入っていないというのは嬉しいですよね。なのに、なぜおいしいかと言うと、お肉のおいしさを糀が後押ししてくれるんです。

豚ロース

 

社長:一番こだわったのは、やはりお肉を塩糀にどれくらいの時間漬けるかでした。糀屋本店さんのアドバイスもいただいて、1日24時間漬けたものが美味しいということが分かり、糀の豚ろーす・糀の豚もも・糀の鶏ももという商品を完成させることができました。

妙峰:皆さんの頑張りで、素晴らしい商品ができたと思います。パッケージもオシャレですが、お客様の反応はいかがですか。

社長:おかげさまで、とてもいいです。

妙峰:確かにおいしいですよね。私は、家族みんなで食べられるようにピーマンとか野菜を色々加えて量を増やしていますが、味つけは何もしなくて良いです。娘は、糀の鶏ももを野菜と一緒にポトフにしたら美味しいと言っていましたが、有馬社長のお気に入りの食べ方はありますか?

社長:男の料理ですから、簡単な野菜炒めですかね。キャベツやタマネギなどに糀の豚ろーすを切って炒めたり、またトンテキみたいにして食べたり、シンプルな料理でも本当に美味しいです。

妙峰:トンカツも、そのまま衣をつけて揚げるだけなので楽々、なのに美味しい。ウィズコロナの時代にとても嬉しい商品だと思います。

社長:糀の力によって、豚肉に含まれているたんぱく質がアミノ酸に、脂肪分が脂肪酸に分解されてより吸収しやすくなり、旨みも膨らみます。食べた後に胃もたれもしませんし、身体に優しいというのを実感できます。

妙峰:そのままでもモチロン美味しいのですが、たとえば「糀の鶏ももとトマトを組み合わせたらどうかしら?」という風に、ぜひ色々な食べ方にチャレンジしてほしいです。

社長:そうですね。弊社の新しいギフト用カタログでも、最初のページにドーンと今回のコラボ商品を取り上げていますので、ぜひ多くの皆様に召し上がっていただきたいです。

妙峰:「あなたの体はあなたの食べるものでできている」という言葉がありますが、医学の父といわれるヒポクラテスは「食べ物で治せない病は医者でも治せない」と今から2500年も前に言っています。糀を使えば色々加えなくても美味しくなり、食べた後も胃もたれしないということが、この商品を通して伝わっていくと嬉しいです。

社長:まさに、「食べることは生きること」ですね。私は、糀屋本店さんのキスケ糀パワー塩ペッパーをよく使っていますが、お肉によく合うので商品と組み合わせたり、レストランでも広めたいと思っています。

妙峰:ありがとうございます。最後に読者の皆様にメッセージをお願いできますか。

社長:私どもは、宮崎県のJAグループの農家さんが作ったお肉を消費者の皆様に届ける仕事をしていますが、やはり農家さんが丹精込めて育てた家畜のいのちをいただきますので、食べる時にはぜひ「いただきます」「美味しかった」「ありがとう」といった言葉をいただければと願っております。その言葉が農家さんの励みにもなりますので。

妙峰:とても大切なことですよね。「いただきます」は「あなたの命をいただきます」。「あなたが命を捧げてくれたから、私は食べて生きることができます」ということです。つまり、あなたの命はなくなってしまうけれども、私の中で生きている。私が充実した生を生きることによって、あなたの命を必ず輝かせてみせますという意味なんです。だから、私たちは野菜や魚や肉の命に感謝をして、精一杯輝いて生きなければなりません。

社長:深いお話をありがとうございます。糀屋本店さんは今年創業331周年だそうですが、「食で幸せに健康にする」という思いが時代を超えて今も受け継がれているというのは素晴らしいと思います。私どももしっかり見習いながら、さらに消費者の皆様、そして、農家さんにも喜んでいただけるよう努力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

妙峰:塩糀でお肉は美味しくなりますが、私たちはお肉のプロではありません。糀という調味料しか持っていませんが、ミヤチクさんと組むことによってお客様に喜んでいただけるものができましたので、これからも励まし合いながら歩んで行けたらと思っております。

ミヤチク

株式会社ミヤチク 有馬社長と妙峰

コラボ商品「糀の豚ろーす」「糀の豚もも」「糀の鶏もも」のご注文は
『ミヤチク』オンラインショップにて https://www.miyachiku.com/